パオの巻(96年8月)
今回は私の自慢の一つを御紹介。私は何と、別荘を持っているのです。でもそれだけでは何だと思われるでしょうが、それがただの別荘ではないのです。私の別荘はパオなのです。日本広しと言えども、自分でパオを持っている人はとってもとっても 少ないでしょう。ではパオとは何か。パオとはモンゴルの人達が日常使う移動型住居。もっと簡単に言うと、テントみたいなものです。それを山梨県の韮崎に私は建てているのだ。しかしながら、当然モンゴルと日本では気候風土が違います。ちなみに私はモンゴルやモンゴルの文化が好きでモンゴルには夏に一度行ったことがありますが、昼は目茶暑くて夜はストーブがないと寝られない程冷えます。昼の暑さは、湿度がないので出る汗もすぐ乾いてしまいます。それに木陰がない大草原ときているからたまったもんじゃありません。だからモンゴルの人は夏でも長袖を着ているんでしょうね。影をつくって汗を逃がさないようにしているんです。
そんな気候にパオの作りも合わせてあるので、パオの屋根はフェルト地で出来てるんです。しかし、日本で建てるには、臭うし湿度ですぐダメになってしまいます。 そこで、フェルト地の代わりに断熱材を使いました。そのおかげで本場モンゴルのパオに負けず劣らずの素晴らしい自慢のパオになりました。でもそう言えば、湿度がないとは凄い事でウンコもあまり臭くないんです。
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そしてこれが私のパオ。中はまん丸で12畳位の広さです。
なんと私のパオは電気も付くし、水洗便所、お湯だって出ちゃうのだ。
モンゴルの草原でも最近では集落をつくって電気は入っていました。 もちろん自然のままに家族だけで住んでるパオもあります。
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これはモンゴルの正装。借り物です。隣にいるのが俳優で友人の関川君。彼はどでかい体をしていますが、野草の事は滅法詳しい。食べられる草かそうでないかはすぐ分かる程の野草博士。
今回、そんな関川君の野草知識を“ふーふーごはん”というグルメ番組のロケでフルに使ってもらうために私の自慢のパオに誘ったのだ。そして、野草のてんぷらに挑戦。
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さて、パオの住み心地ですが、まん丸の空間は妙に落ち着いて楽しい気分にさせてくれます。母親の体内にいるような感じで、子供になってしまうんでしょうか。最高6人で泊まった事がありますが、子犬が6匹、じゃれ合って寝っ転がっているようでした。一番良いのが一人で泊まる時、地球というか宇宙を感じてしまんだな。ただパオは物を置くには不便です。壁が丸いのでタンスでも置いたひにゃ、半円形の隙間が出来てしまいます。モンゴルの草原では物はいらないということでしょうか。鍋とベットと酒があればそれでいいのです。でも今では、モンゴルの人もラジカセは持っています。音楽は生きていくのに最低限必要な物なんですね。私のパオにもCDプレーヤーだけはあります。モンゴルの民族音楽馬頭琴など聞いていたら、韮崎でも大草原が出現し、気分はモンゴルです。