From: DEMIZU Noritoshi (出水法俊) <demizu@nff.ncl.omron.co.jp>
Real-Date: Sun, 19 Mar 1995 20:34:39 +0900
Subject: [infotalk,03907] Re: http://msushi.com
Message-Id: <9503191134.AA03916@boo.nff.ncl.omron.co.jp>


塩原さん> う〜む。はじめてディジキャッシュのはなしを聞いたときに;
塩原さん> 	「そんなの成立するんかいな。電子決済のほうが安心だな〜」

電子決済って、電子的に決済すること全般を含む言葉のような気がしているの
で、クレジットカードの与信端末(CAT)も、ATMやCDも、銀行間や支店間の振り
込みも、モンデックス(電子財布)も、クレジットカードの番号を暗号化して送
受するのも、もちろんディジキャッシュも、全部『電子決済』という範疇に入
る (もしくは関連している) のではないかと最近思っています。
# もちろん私の誤解かもしれない…

たぶんここで話題になってるのは、消費者による電子的な支払い方式で、かつ
インターネットを通信基盤に使っている方式に限定したものではないかと思い
ます。『電子決済』って言葉は、本当はどの範囲を指すものなんでしょうか。


中村さん> こういった議論へのポインタなど、ご存知の方は教えて頂けると幸いです。

あまり詳しいわけではないですが、知ってる範囲でちょっと書いてみます。

インターネットでの取引に取り組んでいるところとしては CommerceNet が挙
げられます。電子決済については次のページに少しまとめてありました。
	<http://www.commerce.net/information/reference/reference.html>

電子決済方式を提唱している(しようとしている)ところでメジャーなところと
しては、次が挙げられます。
	Digicash	<http://digicash.support.nl/>
			電子的な貨幣の方式の特許を持つ
	CyberCash	<http://www.cybercash.com/>
			最初はCreditCardの与信から、最終的には電子的な貨幣へ
	First Virtual	<http://www.fv.com/>
			(代わりにお金を取り立ててくれるんだっけ…忘れた)
AT&T は Anonymosu Credit Cards の研究をしているようです。
	<ftp://ftp.research.att.com/dist/anoncc/>

電子的な貨幣に信用を与えるのは、現代では銀行システムらしいので、ディジ
キャッシュが利用可能になるかどうかは、銀行を巻き込めるかどうかにあると
思われます。

一方、クレジットカードについては、カード番号と有効期限と取引額を伝える
方法が現状と若干変わる他は既存のシステムとほぼ同じで良いようです。そこ
で、Verifone というアメリカのクレジットカード与信システムの会社の創立
者や RSA, TIS, Interop などの人が CyberCash という会社を作って、インター
ネットへのクレジットカード与信サービスの提供を行おうとしているようです。
CyberCash はさらに先を見ているようですけどね。

WWWでクレジットカードの番号と取引額を暗号化して送受するための方式としては、
	Secure HTTP	<http://www.terisa.com/tech.html>
	SSL		<http://home.mcom.com/info/security-doc.html>
あたりが有名です。WWW 関係は W3C メンバ専用のsecurityのページに詳しいです。


ついでなので、銀行系の電子決済についての資料はひとつしか持ってないのですが、
     D.W.Davis, W.L.Price 共著, 上園忠弘監訳,
    「ネットワーク・セキュリティ」, 日経BP社
    ISBN04-8222-7015-7,  4700円
の第10章「電子資金移動とインテリジェント・トークン」にちょっとあります。

それでは

	出水法俊