From: KAWAMOTO Yosihisa <kawamoto@ics.es.osaka-u.ac.jp>
Real-Date: Sat, 07 Jan 1995 17:16:21 +0900
Subject: [infotalk,02743] Re: TIC DeleGate Users
Message-Id: <199501070816.RAA21197@cattleya.ics.es.osaka-u.ac.jp>


川本@大阪大学です.

In message <9501061102.AA05238@oracion.center.nitech.ac.jp>
	takagi@center.nitech.ac.jp (TAKAGI Hiromitsu) wrote:

> そうすると IIJ などから DeleGate を使うには www.osaka-u.ac.jp:10080
> が最適でしょうか。SINET 側を読むときも、阪大が gateway になって、
> 問題の細いところを通らずに済む ことになるのだろうか?

少なくともそういう問題は回避できますね.

> ところで www.osaka-u.ac.jp:10080 の利用情況はどんなもんですか?

どうだったかな, と login してみようとしたら. . . 落ちてるわ.
不安定だなぁ. > EWS4800

というわけで不安定なんです. ですから, www.osaka-u.ac.jp:10080 を
是非どうぞと勧められないんですよねぇ.

できる限りはやいこと安定して運用できるようにしないとダメですね.
--
iかわもと よしひさ!               kawamoto@ics.es.osaka-u.ac.jp


From: Akihiro Shirahashi <sirahasi@titan.tisn.ad.jp>
Real-Date: Sat, 07 Jan 1995 13:52:56 +0900
Subject: [infotalk,02742] How to use proxy server
Message-Id: <199501070452.NAA06371@titan.tisn.ad.jp>



白橋(東大理/TISN)です。

私の編集している "WWW Clients for Windows" に、proxy server 利用の心得
を加筆してみました。当該部分を以下に送りますので、皆様のコメントをお待
ちしています。

3. Proxy server について

3.1. Proxy server とは

  proxy server とは 「代理」サーバのことです。WWW は本来は end to end 
  の通信で、client が直接に WWW server にアクセスするのが基本なのです
  が

  ・企業などが security 上の理由により firewall を作っており、直接の
    connectivity がない
  ・回線速度が遅い場合に何度も同じ情報を取ってくることによる無駄なイ
    ンターネットの混雑をデータの caching を行うことによって避ける

  ために、client がいったん (local に組織内で立ち上げた)代理のサーバに
  アクセスして、それを経由して外のサーバにコネクトするという仕掛けです。

  proxy 機能をサポートしたサーバとしては CERN httpd server や 電総研の
  佐藤さん(ysato@etl.go.jp) の開発した DeleGate があります。

  CERN httpd 自体はそれ自体が、WWW の server ですので、情報提供用のサー
  バとしても使うことができます。同じマシンの上で、情報提供用のサーバと、
  proxy アクセス用のサーバを動かす場合は、別の port 番号で運用するのが
  普通です。(情報提供用は 80, proxy 用は 8080 とか)

  それに対して、DeleGate は、汎用の中継サーバで、WWW (http) のほかにも 
  gopher や NetNews (nntp) などの中継も行うことができます。

  caching 機能は CERN httpd, DeleGate 共にもっていますが、cache の管理
  については、今のところ CERN httpd の方に一日の長があるようです。

  CERN httpd を使う場合は、client 側も proxy 対応していることが必須で
  すが、DeleGate の場合は non-proxy client に対応した URL の変換機能を
  持っているので、必ずしもその必要はありません。

  ただし、これから紹介する Windows 用の client NCSA Mosaic, WinWeb は
  どちらも proxy 対応していますので、DeleGate の non-proxy client 対応
  の機能を使う必要はないでしょう。以後の説明もそのつもりで進めます。

3.2. proxy server 利用の原則

  WWW はユーザが要求したその時点で情報提供のサーバから情報が直接送られ
  しくみなので、イベント情報提供などの人気サーバ (典型的な例は '94 の
  Shoemake-Levy 彗星の木低への衝突) には短い期間に多数のユーザから同じ
  データに対するリクエストが殺到することになります。WWW がが "Internet
  Killer" application とよばれる由縁です。

  前述したように proxy server を利用することによって、その cache 機能
  によって無駄なトラフックを減少させ、かつユーザのレスポンスも改善でき
  ます。副次的(だが重要)な漢字コード変換などの機能を proxy server に行
  わせることもできます。

  Proxy server がもっとも効果的に働くのは, "内部" での(LANの)通信にく
  らべ "外部" との(WANの)通信が低速である場合に、"内部"の利用者からの
  リクエストを集約し "外部" からのデータを cache に蓄えることによって 
  "外部" との(低速な)通信路のトラフィックを減らせる、というケースです。

  この「原則」をふまえたた上で、ネットワークの接続や速度を考慮して利用
  をしないと、せっかくの proxy server が効果を発揮しなかったり、インター
  ネットを徒に混雑させることにもなりかねませんので、注意が必要です。

3.3. 公開 Proxy server の利用

  外部のユーザに利用してもらうことを目的に proxy server を「公開」して
  いるサイトがあります(*)。これは、dial-up PPP のユーザや、何らかの理
  由で組織内に自前の proxy server を用意することができない方に、cache 
  や漢字コード変換のサービスを提供して WWW を有効に利用してもらおうと
  いう試みです。いくつかの雑誌にもその所在が紹介されたので、最近利用者
  が増加しているようです。

  (*) TIC/名工大の高木さんがまとめられた「公開」サーバの情報が
      http://www.tokai-ic.or.jp/WWW/delegate/other-servers.html
      にあります。

  このような proxy server の利用法は、前節に述べた「原則」に則っていな
  いものですから、その利用にあたっては以下のような点に十分注意する必要
  があります。

  ・まず、もっと手近な所、すなわち所属している組織や、加入しているプロ
    バイダが proxy server のサービスを提供していないかを調べてください。
    実際にはサービスをしていても、非公式だったり、十分な広報がされてい
    ないなどの理由で、活用されていないケースもあるようです。

  ・自分の所からの「ネットワーク的距離」が近い proxy server を選択しま
    しょう。現在の日本のネットワークの相互接続は非常に複雑で、地理的に
    近いサイトがネットワーク的にも近いわけではないのはもちろん、高速な
    回線で接続されている著名サイトであっても、通信相手によっては非常に
    混雑した隘路を経由してしまう場合もあります。一つの目安として ping
    や traceroute といったコマンドで知ることができる RTT (パケットの往
    復時間)があります。RTT が 1秒をこえるような所の proxy server は、
    混雑をいっそう酷くしレスポンスも悪いはずですから、利用しないほうが
    いいでしょう。

  ・主として漢字コード変換のために proxy server (DeleGate) を利用して
    いる場合は、海外のサイトにアクセスする場合には、proxy server 経由
    にする必要はないはずですが、一々 proxy server を手動で切替えるのは
    面倒なので、そのまま利用してしまうケースがあるでしょう。その場合、
    利用者の所属するネットワークの国際回線ではなく、公開 proxy server 
    を提供している組織の所属するネットワークの国際回線が使われることに
    なります。もちろん、proxy server を公開しているサイトはそれは承知
    の上で、インターネット全体の利益という観点からサービスをしているわ
    けですが、あまり度をすぎると問題になり、かえってそのようなサービス
    を続けにくくなってしまう可能性もあります。やはり、正しく理解をして
    節度ある利用を心がける事が必要だと思います。